生地の厚さについて

シャツの生地の厚さについて、よくカウンセリングなどでお問い合せを受けます。
多くの場合、ある程度の厚みがある方が好まれるような印象です。
根底に、基本的には透ける生地には抵抗があるようで、透けない生地というのが前提ということが多い現状です。

ただ、薄い生地を敬遠するという傾向は日本人に多いようで、世界的には薄い方が好まれるという傾向があるようです。
それというのも、シャツ生地は品質が良くなり、価格が上がれば上がるほど、糸の番手が上がり、軽く、薄くなるからです。
世界のセレブがパーティーなどで着ているシャツ生地の多くは、薄く、軽い生地です。
なぜ日本人が透けるのを嫌がられるかと申しますと、肌着などが透けたりするのが嫌だというのが理由として最も多いようです。
それと、日常使いの生地を日本人は求めることが多いというのももちろんあるかと存じます。

シャツ生地は、基本的に「軽くて、肌触りが良くて、丈夫で、夏涼しくて、冬は暖かい」というのが機能的な善し悪しの基準となります。
厚みのある生地というのは、その分重くなり、さらにはどうしてもごわつきが生じやすく、そういった意味ではシャツ生地の基本的な価値基準からは二次的な扱いとなりやすいです。ただ、もちろん、その分、冬場、暖かかったり、丈夫であったりします。

私がお客様にご提案するとき、普段使いのシャツでしたら、耐久性もある100番を、パーティーなどで着られる場合120番以上の生地をお奨めさせていただいております。
高級な生地の場合、普段使いは100番以下、特別な用途の場合は100番からもしくは120番以上というのが一つの基準となります。

ご参考までに、市販のシャツは40番から50番が多くあるようです。

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