vol.19 | 芯地について(フラシ芯と接着芯)

芯地について、その種類について書いてみたいと思います。
書いていて改めて気がついたのですが、芯地は、シャツにとって、極めて大事なポイントであるということです。
単に芯地は硬さや厚みだけでは無く、その使い方でシャツの着心地や見た目が変わってきます。
非常に大事なポイントですので、ゆっくりと回を追って書いてみたいと思います。
シャツの芯地には、大きく分けて、次の二つの種類があります。
一つは接着芯、もう一つは、非接着のフラシ芯です。
接着芯とは、簡単にご説明すると、芯地に塗ってある接着剤で、生地に貼ってしまうタイプです。
それに対して、フラシ芯とは、接着剤等は付いていない、ただの布と考えて頂ければ想像しやすいと思います。
両者の違いはとても大きく、シャツの出来上がりにも着心地にも違いが出てきます。
一般的に接着芯の方が硬く、機械的な印象があり、量産されるシャツのイメージがある一方、カチッとしたしっかりしたイメージがあります。
それに比べ、フラシ芯は柔らかく、高級なイメージがある一方、ケアが多少難しく、悪くいうと、シワになってだらしなく見えてしまう部分もあります。
さらに
また、この違いは芯地自体の用途や、シャツの製造方法にも影響を及ぼします。
製造の難易度も異なり、総じて接着芯の方が製造はやりやすく、難易度も低く、フラシの芯地は慣れてないと非常に困難だと思います。
最後に、フラシ芯の一種で、一時的に接着芯となる仮接着芯という芯地があります。
この仮接着というのは、シャツの製造時に、製造がしやすいように、仮に貼られるタイプのフラシ芯です。
製造がしやすく、シャツの仕上がりが良いので現在のドレスシャツなどで、よく使われている芯地です。今の主流の芯地ですが、名前から誤解されやすい芯地ですので、次回でも詳しく書いてみたいと思います。