糸の番手について
糸の番手についてご説明させていただきます。
よく、「この生地は何番手」なんてお話を聞くことがあると思います。
この生地の番手というのはいったいなんでしょうか?
番手というのは、「生地を構成している織糸の細さ」を表した数字です。
そして、とても大事なことは、番手が大きくなればなるほど、織り糸が細くなるので、生地の厚みが薄くなるということです。
本来は、このように生地の厚みなどに関連した数値です。
ただここで、二点ほど糸の番手について非常に重要なポイントが存在します。
一つは、織り糸には単糸もあれば双糸もある(生地よっては三撚糸)ということです。
単糸とは、文字通り織糸が一本の糸で織られています。
双糸とは、2本の糸を撚って一本の織り糸としています。そのため、単糸の倍の番手の糸を使っています。
双糸は単糸に比べ、強度も強く、伸び縮みがあり、しなやかで艶などもあります。
高級な生地の多くは双糸を使っています。
単糸と双糸では、このためそのまま倍の番手の表記がされます。
同じ厚みの生地ですと、単糸50番=双糸100番となります。
生地のラベル表記の中には、100/2などと表記されているものがあると思いますが、これが双糸の表記になります。
ちなみに単糸の表記は50/-といった表記になります。
もう一点、番手について大事なポイントがあります。
それは、番手が上がれば上がるほど、品質の良い綿糸を使わなければ糸にならないという点です。
細い番手になればなるほど、高価になるのはこのためです。
この点が、高番手=高価という図式を生んでいます。
結果、「高い生地は薄い」という方式を作っているのです。
ここで疑問があると思います。
品質の良い綿で、厚い生地を作ればいいじゃないか?ということです。
おっしゃる通りだと思います。
ただ、厚い生地を作る場合、それほどまでに品質の良い綿糸を使う必要があるかと申しますと、この点にも疑問があります。
私の経験上、必要ないという印象です。
それと、厚い生地を作るときに、当然質量が増えますので、薄い生地よりも多くの綿糸を使うことを鑑みますと、どのくらいの価格になるかと心配になります。
このようにシャツ生地を理解する上で、糸の番手というのは非常に重要になります。