シャツづくりのはじまり

ヤマナカシャツが創業したのは1963年。すでに半世紀以上もの年月が経ちました。
長く営業してきましたが、おそらく創業から現在に至るまで、
一貫してお付き合いのあるお客様はほとんどいないといっていいかと思います。
これは当店が業態を変えながら存続してきたことが理由なのですが、形は違えど
少なくとも「お客様のお気に入りのよいシャツ」を1枚でも作るという姿勢は現在も同じ。
オーダーシャツ専門店となって明確化された
「100年後もシャツを作り続けていたい」という目標は、
これからの店舗存続のための指針として、生き続けるはずです。
創業者は先代・山中真喜雄。
シャツメーカーから独立して、ワイシャツのアイロン仕上げ業者
「山中仕上所」として独立しました。
お客様の希望するシャツへと仕上げる姿勢はすでにそこから始まっていたんですね。
真喜雄は、シャツ好きが高じて都内のシャツメーカーの職人として就職していましたが、
山中仕上所を開業後は、ずば抜けたファッションセンスを生かし、
高度経済成長期の中で着実な仕事を行い、需要をどんどん増やしていきました。
当時の日本はアメリカから発注された1ドルシャツを国内生産して
逆輸出する技術と生産力をもっていました。
さらに60年代中期から、世間ではアイビーファッションが一世を風靡。
『VAN』『Kent』『JUN』『Jプレス』などがアイビールックの代表的な
先駆け的存在であり、ご存知の方も多いと思います。
そうしたブームと生産技術・体制を上手に拾いつつ、真喜雄は
アイロン仕上げに加え、縫製部門を設置しました。
アイビーシャツの製造を手掛けて、一躍縫製工場としての地位を確立させていったのです。
…これがヤマナカシャツの前身、山中仕上所の大まかな動向です。
当店のシャツ作りの基本精神は、ここからスタートしたのです。

次回はさらに話を進めていきたいと思います。