袖の輪づけ(わづけ)について

こちらもとてもよくお問い合わせを受けます。

「袖の輪づけは良いと聞いたのですが?」

袖の輪づけとは、袖を作っておいてから、見ごろと後で縫い合わせる方法です。この方法は後で袖をつけるので、アームホールが
自然なカーブが出る
と言われています。
確かにその通りですが、機能としてのメリットは、決して大きくはありません。
なぜなら、しわがより、目につかない脇の下の話だからです。
シャツの全体的な機能価値が100だとすると、輪づけによって占める価値は1~2といった感じです。

ではなぜ
「輪づけが良い」
と言われるかと申しますと、
主にイタリアなどの高級シャツでは、袖のステッチを手縫い
することが多くその結果、輪づけとなるからです。
正直なところ、ステータスとしての輪づけの価値以外、価値はあまりないというのが現実です。ちなみにミシンで輪づけをする場合にも、手間は相当に増え、シャツの価格は2,000円から3,000円は上昇します。手縫いの場合8,000円から10,000円上昇します。

お気づきかと思いますが、そのお値段分、
ワンランク生地の良いシャツを購入したほうが、賢明
だと私は思います。

次回は、マチ(ムーシェ、ガゼット)についてお話します。