vol.14 | 生地の用途判断に欠かせない糸密度(打ち込み)

今回は生地の打ち込みについて書いてみたいと思います。
生地の用途等の価値判断として、厚みや糸の太さ(番手)などがよく知られていますが、その他にも、織られている糸の密度などが大事なポイントになります。
この糸の密度を俗に「糸の打ち込み」という言葉で表されます。

この打ち込みが粗い(隙間が大きい)と、その隙間から空気が通るので、通気性が良くなり、仮に糸が太くても、生地厚が厚くても、網を着ているような涼しい生地になります。また、使われている糸が結果少ないため、シャツが軽くなります。
代表的な生地は、近年、人気がある「絡み織り」といわれる、厚みがありながら涼しい、ポロシャツのような生地(ポロシャツの布は編み物)です(写真参照)。

反対に、打ち込みが強く、ぎゅうぎゅうに織られていると、薄い生地でも、通気性が無くなり、保温性が高い、ウィンドブレーカーかレインコートのような生地感になります。
代表的な生地がタイプライターと言われる生地がそれに当たります。
タイプライターの良さは、皺になりにくいこと、滑らかでパリッとした質感になることなどです。
その反面、薄いのに意外と着てると暑いことなどが季節によってはデメリットです。
タイプライターについてもいつか個別に書いてみたいと思います。

(写真)ポロシャツのような生地、絡み織り。ポロシャツは実際にはニット(編み物)で、絡み織りは織物で、似て非成るもの(絡み織りは伸び縮みしません。)ですが、結果とても近い存在。