vol.12 | 綿麻生地(コットンリネン)について

さて、前回はシャツ生地としての麻について書いてみました。

実際、麻系のお問い合わせで、よく頂くのが、「この用途では麻(100%)と綿麻どちらがよいですか?」というような内容です。両者の違いを明確にしないと、麻について触れても半分しか意味がありませんので、間髪入れずに、綿麻についても書いてみたいと思います。
綿麻は、読んで字のごとく、綿と麻の混紡です。つまり両方の繊維で織られています。
簡単に申し上げて、両方の性質を併せ持っており、その混紡率によって、その性質がどちらよりになるかが決まります。
混紡率がかなり大事ですが、よくあるのが、

麻34:綿66
麻40:綿60
麻50:綿50

くらいの混紡率です。
大方、麻が1/3から1/2くらいの割合です。麻の方が多い物はまずありません。
この綿麻、綿と麻の中間に位置しますので、用途もほぼ中間になります。
「麻ではちょっと・・・」というシチュエーションや、または「麻は自分的にはどうも・・・」と、麻は苦手という人に向けて、綿麻が満を持して登場すると思って頂けるとありがたいです。

そして綿麻は基本、少し薄手が多いです。
綿が入る分、麻100%よりもキメが細かく、若干薄手になります。
まず、カジュアルとしてざっくりと着られるのなら、麻100%が良く、綿麻は、ジャケットなどに合わせたり、スーツに合わせたりするのに良く、
また、綿麻はシャツ一枚でおしゃれに着られるとするのもなかなか良いかと思います。
麻100%と、似ていますが、綿麻は綿麻という一つのジャンルを形成している感じです。

端的に言って、おしゃれカジュアルなら麻、ドレスカジュアルなら綿麻

と思っていただいてまず正解かと思います。

(写真はカンクリーニの綿麻ホワイト、シャリシャリした独特の感じがとてもおしゃれです。)