不況期、弊社も何もせず、手をこまねいていたわけではなく、今後のことについて色々と模索はしていました。

一つは、まずは新しい得意先を探すこと、
もう一つは、自分のオリジナル商品で勝負すること。

で、両方ともやるにはやったのですが・・・

結局新しい得意先は見つからなかったのです。弊社は営業力もなく、いつの間にか陸の孤島と化して、忘れ去られていたのです。

もう一方のオリジナル商品は、100点ほど作って、デパートの催事などで出品したりしました。

出店の前日までは、半分くらいしか売れなかったらどうしよう?とか、品切れでスカスカになってしまったらどうしよう?なんて心配していたのですが、そんな心配はものの見事に裏切られました。

初日、二日目と続けて0、シビアすぎる現実を目の当たりにしました。

結果的には2週間で15点ほど売ることができ、売り上げは計15万くらいに達しました。
ただ2週間の間、売り場に立ちっぱなしで売上額の35%はデパートが取ります。
当然、利益など出るはずもありません。
このときに、販売ってこんなに難しいのか?と思い知らされたのです。

もちろん商品力の欠如もあるのでしょうが、それ以前にお客様に商品を見てもらえないのです。

通り過ぎるお客様に、上手に声を掛けたり、近づいたりも出来ず、挙動不審の、買え買えオーラ全開になってしまって、逃げられてしまうのです。販売慣れしていない、自分に気付かされました。

販売って、こんなに難しいのかと、生まれてはじめて思い知らされました。
それでも15点、売れたのは奇跡でした。しかも全然売れると思ってなかった品が売れて、売れると思っていた品が全然売れないのです。自分の販売センスのなさに嫌気がさしました。
ただ、この販売が大変だという経験が、のちのち大きな力になってくれました。
それと、消費者が求める物と、メーカーが提供する物とに違いがあるということも、このときに気付きました。
着たいのにサイズがない、サイズがあってもデザインがとても着ることができない、消費者の方にも悩みがあるのだと。
これが、のちに弊社のサービスに直結することになるとは、このときは思いもしませんでした。
結局経験は積めても、会社としてはこの数年間、何も生み出せず・・・・このまま終わっていても仕方がなかったです。