生地には”旬”があります。
前回の答えです。
常連のお客様から、軽く催促をいただきましたので、本当はもう数日引っ張りたかったのですが、答えを書いてみたいと思います。
クイズの答えは、
「一定期間寝かせたもの」
です。生地は、綿糸を製糸して、それをさらに紡績することで生地となります。
このとき、織るだけでなく、最後に樹脂を塗り、さらには防縮加工をすることで生地として仕上がりますが、上がりたてのものは鮮度はあるのですが、落ち着き感と独特の滑り感がまだ出てはこないんですね。
ぱりっとした、出来たての若々しさはあるのですが、それが柔らかさと、風合いに変わるには、半年から1年という時間が必要になるわけです。
ただ、保存の状態が悪いと、数年経つと虫がついたり、カビが生えてしまったり、中には樹脂が変色してしまうことがあります。
どうしても水分を吸ってしまいますので、1年以上そのままに保存することは今度は危険を伴うことになります。
ですので、シャツ屋さんは本来、生地を最善の注意を払いながら保存しなければならないわけです。目に見えない職人気質がそこにはあります(笑)。