vol.4 | 素材としての綿

前回、綿について、概要をお話ししました。
ヨーロッパに綿が伝わり、産業まで大きく変えてしまった綿。
さらに人類は、品質の良い綿を求めて、良い綿を求めて世界中を探し回ることになります。
この綿という繊維が、種子につく実綿(みわた)であることは書きましたが、種子によって、綿の品質は違いがあります。
綿の品質の良さは、その「一本一本の繊維の長さ」によります(ほかにももちろん要素はあります。)。
繊維が長ければ、その分、丈夫で、水分を多く保つこともでき、さらには肌触りもよくなります。
毛先や断面も少なくなり、肌ストレスも少なくてすみますね。

「超長綿(ちょうちょうめん)」という言葉を聞いたことがありますでしょうか?
これは文字通り、繊維の非常に長い実綿の繊維になります。
良い綿の代名詞と思っていただいて、間違いございません。

そして、超長綿が採れる産地というのは、その気候条件などから、世界に限られています。
発芽の時期に雨が多かったり、開花時には乾季が訪れたり、日照時間が長かったり、風通しが良かったり、地面が水はけが良かったりなどです。
そう考えますと、綿は、ワインなどに似ているかもしれません。
良い綿が採れる代表的な地域は、

西インド諸島
エジプトのギザ地方
新疆
アメリカ

などです。
中でも、高級綿として名高いのは、西インド諸島で、こちらで産出される綿は、長い間英国の王室で秘密にされ、王室にのみ献上されていたそうです。
いわゆるシーアイランドコットン、日本では海島綿と呼ばれる綿がこちらになります。

ただ、ヨーロッパの生地ブランドが好んで使うのは、エジプトのギザ綿になります。
地理的にも近く、量も海島綿に比べたらはるかに多く、品質も海島綿に劣らないので、重宝されているのだと思います。
そのほか、トルファンや、アメリカ綿なども、品質が良いことで知られています。