シャツのおはなし vol.8 | 背中ダーツについて

最近、シャツの背中のダーツ(背中の2本のつまみ縫い)について、「存在理由がわからない、不要では?」というお問い合わせをよく頂きます。
背中ダーツ不要論が世の中に、はびこってます。
確かにアイロンがけなど面倒で、背中に2本入る筋が、好きな方と嫌いな方でくっきり分かれるのは無理が無いと思います。
普通に説明すると長くなってしまいますので、ここでは簡単に触れさせて頂こうと思いますが、結論から申し上げますと、

「背中のダーツは、本来、人体に服を沿わせ、着る方の体型に、美しくなじませるために必要不可欠な存在。」

です。
実は、シャツには、背中のダーツと同様の工夫があちらこちら(肩甲骨のためのヨークなど)に隠されています。またシャツは4箇所ですが、ジャケットにはその倍、8箇所以上、同じ工夫が隠されています。専門的な知識のある方は、ダーツ不要論を聞いて、ほとんどの方は衝撃を受けてしまうでしょう。

ダーツを入れないと、シャツの構造がおかしくなり、脇腹に負担が掛かり、変なシワがよります。非常に大事なのです。

ただし、条件付きになりますが、無しでも良いケースもあります。
胸回り(チェストまたはバスト)と、お腹周り(ウエスト)のシャツの寸法(ヌード寸法では無く)が12センチ以内でしたら、脇だけでカバーも可能だと思われます(もちろんダーツがあった方が良いですが、、)。

今度、ゆっくり触れてみたいと思います。

(図参照) 画面向かって左がダーツあり、右がダーツ無しのパターン(設計図)。ダーツがあるのと無いのでは、同じサイズでもここまで脇線が歪曲してしまう。
ダーツありの方が健全であるのは、専門的には議論する必要は無いと思われます。