第4章 残された資金は4ヶ月分。オーダーシャツに賭ける

資金は残り4ヶ月分。その間に新しい方向性を見つけなければ、本当に終わりです。

下請けのままでは、技術が上がっても会社の価値は高まらない。必要なのは「うちにしか作れないもの」でした。体力も人材もない状況でできることは、少ない在庫で価値の高い、他に真似のできないものを作ること。量産工場から脱却し、小ロットやサンプル生産で食いつなぎながら、散々考えた末にたどり着いた答えが、「オーダーメイドのシャツ」でした。

シャツは、製造的には最も簡単でありながら、ビジネスとしては最も難しいと言われるアイテムです。あらゆるアイテムを縫える工場でしたが、あえてこの一番大変なシャツ一本に絞り込み、会社と人生を賭けました。

なぜシャツだったのか。在庫を持たずに済むこと。当時の小さな工場でも少人数で作れること。そして、大手メーカー相手にも勝負できるニッチな商材だったこと。当時のうちにとって、唯一にして最適の答えでした。

1998年、オーダーシャツ部門を設置し、オリジナル製品の開発・販売を開始。2001年にはインターネットでのオーダーシャツ販売を始めました。何もわからない状態からのスタートは、長く険しい道のりでした。それでも、レベルの高い同業者に恥も外聞も捨てて教えを請い、良いものはとことん学び、そこから自分たちなりの工夫を重ねる。その繰り返しが、下請けの町工場を「自分たちの名前でシャツを売るメーカー」に変えていきました。


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