第1章 1964年、一台のアイロンから

【写真:創業当時の先代夫婦の白黒写真をここに挿入/キャプション:創業当時の先代夫婦。この一枚から、ヤマナカシャツの歴史が始まった。】

ヤマナカシャツの始まりは、1964年。高度経済成長のただ中、先代である私の父と母が東京近郊で開業した「山中仕上所」——シャツ・ワイシャツのアイロン仕上げ店でした。

翌1965年にはアイビーブームが到来し、シャツの需要は大きく伸びていきます。1980年にはアイロン仕上げに加えて縫製部門を設置。1985年にはメンズシャツからレディースブラウスへ主力を移し、1986年に法人化。折からのDCブランドブームの中で、国内の様々なブランドのシャツやブラウスを製造する町工場へと成長していきました。裁断、縫製、仕上げまで一貫生産できる工場として、技術は着実に蓄積されていきます。

しかし、当時の日本の町工場の多くがそうであったように、それは「言われたものを、言われた通りに作る」下請けの仕事でした。技術はあっても、自分たちの名前で売るものは何ひとつない。このことが後に、会社の存続を揺るがすことになります。


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